医療法人社団明敬会 湘南藤沢歯科 インプラントセンター
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インプラント体(フィクスチャー)の破折、土台(アバットメント)のネジ(スクリュー)の緩み

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インプラント体(フィクスチャー)が破折、土台(アバットメント)のネジ(スクリュー)が緩む原因

インプラント治療

やむを得ず失うことになってしまった歯の代替として、機能を回復する治療では、歯を支える歯根の役割を果たすことができるインプラント治療が最も優れていると言えますが、このインプラントでも、長く使用するうえで注意をするべき点があります。

大きくは2点あり、1つはインプラント周囲炎という歯周病のような歯ぐきに炎症が起きる病気です。インプラントは前述のように歯根を代替する治療なので、元々の歯と同じようにメンテナンス(クリーニングなど)を怠ってしまうと、歯周病のように周囲の骨が溶かされてインプラントが脱落する原因になります。

もう1つは、インプラント体(フィクスチャー)の破折や、土台(アバットメント)のネジ(スクリュー)の緩みです。このページでは、こちらについて詳しく説明していきます。

インプラント体(フィクスチャー)の破折や、土台(アバットメント)のネジ(スクリュー)の緩みが起きるのは、基本的には、歯にかかる負荷(負担)が治療計画で想定している負荷よりも大きくなってしまったことによるもので、その原因として以下のようなことが考えられます。

1.咬合力に対してインプラントの本数が少ない

咬合力とは、噛みしめる力のことで、この力を受け止めるのは歯根、インプラント治療をした歯ではインプラントということになります。複数の歯が連結したブリッジを少ない本数のインプラントで支えるような治療を行う場合などは特に注意が必要です。

2.上下の歯の接触時間が長い

通常、口を閉じていても上下の歯は接触していない(離れている)もので、会話や食事をする際の接触を含めても1日で20分程度が正常だと言われています。上下の歯が接触している時間が長い状態をTCH(Tooth Contacting Habit=歯列接触癖)と言います。歯ぎしりや食いしばり、噛み締めによる負荷ももちろんですが、弱い力でも継続的にかかることによってトラブルを招く可能性があります。

3.かみ合わせの変化

治療が完了した状態とかみ合わせが変わったことによって、上下の歯が強く当たるようになることがあります。かみ合わせが変わる原因としては、歯がすり減った、顎関節(あごの関節)の変位や変化、抜歯をはじめ何らかの影響で歯が移動した、対合歯(かみ合う歯)や隣在歯(隣り合う歯)が動揺している、他の入れ歯やブリッジの治療、被せ物が外れたり作り変えたなどが考えられます。

4.全身麻酔の気管挿管時の負荷

手術などで気管内挿管を行う際、全身麻酔を行って気管内にチューブを入れますが、このときに器具等によって歯に負荷がかかります。歯が破折したり、被せ物が取れてしまうこともあります。

5.外的衝撃

予期せず歯に強い衝撃がかかることによって、インプラント体が壊れたり、ネジがゆるんでしまうことがあります。
代表的なところでは、スポーツの試合中の接触、交通事故、喧嘩などがあります。

6.対合歯の種類

対合歯(かみ合う歯)もインプラントの場合は、天然歯と比較して、インプラント体が壊れたり、ネジがゆるんでしまうリスクが7倍になると言われています。

インプラント体(フィクスチャー)が破折、土台(アバットメント)のネジ(スクリュー)が緩んだ場合の治療・対応策

インプラント体(フィクスチャー)が破折、土台(アバットメント)のネジ(スクリュー)が緩んだ場合の治療・対応策

少ないインプラントの本数で噛めるようすることは、少ない柱の数で地震に強い家にするのと同じで、咬合力(地震)が強い、歯の接触時間が長い場合(地震の頻度が多い)はトラブルが起きやすくなり、本数の追加(補強)が必要になることがあります。

土台(アバットメント)のネジが緩む場合は、インプラント体やネジの破折の前兆の場合が多いので、単ににネジを絞めるのではなく以下のような対応策を検討する必要があります。

1.本数の追加により力の分散を図る

治療した歯の本数に対してインプラントが少ない場合は、本数を追加することで、それぞれのインプラント体にかかる負荷を分散することができます。

2.上下の歯の接触を避ける

マウスピースやナイトガードを作成して、歯ぎしり、食いしばりを抑制することで、上下の歯の接触時間を減らし、負荷を分散します。

3.かみ合わせ調整

かみ合わせによる歯にかかる負荷や、すり減りを抑えるために調整します。かみ合わせの高さを低くする、咬合接触点を小さくする、側方・前方運動時の滑走距離を短くするなど。

4.歯の頬舌径を小さくする

歯の頬舌径(歯を外から見た奥行き)を小さくすることで上下の歯が離れやすくなり、上下の歯の接触時間を減らします。

5.インプラントを太くする

インプラントを径の太いものに変更することで破折のリスクは軽減されますが、骨や歯ぐきが下がることもあるので注意が必要です。

6.人工歯の素材を変える

インプラント体にかかる負荷を減らすために、ハイブリッドやGOLDなどの柔らかい素材に変更する。

その他、状況に応じて以下を検討します。

  • 連結する(複数歯の場合、連結の範囲を拡大)
  • インプラントの長軸方向を変える(傾斜埋入の方が発生率が高いため)
  • 無理に不正咬合を正常咬合に近づけない
  • 純チタンから強度のあるチタン合金に変える
  • 咬筋にボツリヌス注射治療(咬筋肥大を抑制)
  • コンタクトを面接触にして、回転力を抑制する
  • 定期健診、咬合調整の間隔を短くする
  • 延長ブリッジ(カンチレバー)をなるべく避ける
  • 撤去し、再埋入

インプラントの被せ物が動く場合はインプラント体が破折してしまう可能性があるため早急に歯科医院にご連絡ください。

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