インプラントのかみ合わせ
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歯のかみ合わせとは

歯のかみ合わせというのは、口が閉じているときに上の歯と下の歯が接触している状態のことです。正常であれば1本の歯に対して対合する2本の歯が接触しています。
当たり前と感じるかもしれませんが、虫歯の治療で歯を削ったり、歯周病で歯を失ったり、事故や怪我などで歯が欠けたり抜けたりなどが原因で正常な接触が失われることがあります。
このような場合には、詰め物や被せ物、入れ歯を調整して正常なかみ合わせを維持する必要があります。
かみ合わせが悪いと起こること

かみ合わせが正常でなくなると、「ものを上手に噛めなくなる」「空気が漏れてしまって上手に発音ができなくなる」「唾が飛んでしまう」「口の中が乾きやすくなる」といったことが起こります。
また、かみ合う歯が動いてしまったり、抜けてしまっている場合には周囲の歯が間を埋めようと倒れてきてしまいます。他にも、かみ合う歯にかかる力のバランスが崩れて歯周病が悪化したり、姿勢が悪くなったり、肩こりや頭痛、めまいなどの不定愁訴を引き起こしてしまうリスクもあります。
インプラントとかみ合わせ

前述のように、かみ合わせが正常であることの重要性はおわかりいただけたと思います。
インプラント治療は、人工歯根(インプラント)を埋め込み、人工歯を被せて失われた歯の代替とするものですが、インプラント治療でも同じように、ただ入れればよいというものではありません。失われたかみ合わせも再現する必要があります。
ただし、インプラントはあくまでも人工物です。天然歯と全く同じというものではないので、かみ合わせの作り方にも注意が必要です。
インプラントのかみ合わせの注意点

歯は、歯ぐきより上に出ている部分を歯冠、歯ぐきに隠れて見えない部分を歯根といいます。インプラントは歯根を代替するものですが、天然の歯根には、歯槽骨(歯を支えるあごの骨)との間に歯根膜というクッションの役割をする組織があります。
歯根膜は、硬いものを噛んだときは深く沈み込み、柔らかいものを噛んだときにはそれほど沈み込まないので、ものを噛んだときに硬さを判別するセンサーのような働きをします。
つまり、歯根膜がないことで、以下のようなことが起きます。
- 歯に力がかかったときに沈み込む余裕がない
- 強く噛み過ぎてしまう
結果として、以下のようなトラブルを引き起こすリスクに繋がります。
- 対合歯(かみ合う歯)を痛めてしまう
- 対合歯の歯根破折(歯根が割れてしまう)
- 対合歯の骨吸収(骨が壊れてしまう)
- インプラントの破折
- 人工歯(インプラントの被せ物)の破折
インプラントのかみ合わせ治療

湘南藤沢歯科のインプラント治療では、かみ合わせにこだわっています。インプラントは歯根膜がなく、さらにチタンという硬い材質のため、天然の歯根のようにしなりがありません。
このような理由から、歯にかかる強い力を分散するために、インプラント治療をする歯とかみ合う歯のかみ合わせは、インプラントを入れる歯と隣り合う歯の歯根膜が深く沈み込んだときの高さに調整します。また、インプラントは歯根膜からの血液供給が無く細菌に対して弱いため、歯間を大きめにして唾液の抗菌作用等が及ぶようにします。
かみ合わせを適切に作ることによって、結果的にインプラントの寿命を伸ばすことに繋がり、インプラント周囲炎(歯周病のような細菌による炎症性疾患)のリスクを減らし、歯ぐきや歯槽骨、周囲の歯に悪影響を与えるリスクを減らすことになります。