インプラント治療で保険適用になるケースとは?
お役立ち情報 2019/05/28
インプラント治療で保険適用になるケースとは?
インプラント治療で保険適用になるケースとは?
ただ機能を回復させるだけでなく、審美性も兼ね備えたインプラント治療は、保険適用外となり高額な費用が必要となります。しかし、ごく一部の症例に限り、保険適用が認められています。ではインプラント治療で保険が適用されるケースとは、どのような症状なのでしょうか。歯科治療における保険適用と自費治療の違いも併せて、お話をしたいと思います。
歯科治療における保険適用とは
風邪をひいたときやインフルエンザにかかったとき、あるいは骨折をしたときなど、私たちは医療機関を受診して症状を改善、完治させます。その際、医療機関の窓口に健康保険や国民健康保険と呼ばれる保険証を提示することで、医療費を安く抑えることができます。
何気なく提示している保険証ですが、健康保険に加入しているからこそ治療費を安くすることができるのであり、もし健康保険に加入していなければ、全額自己負担となります。
歯科治療においても同様です。虫歯や歯周炎などはそのままにしておくと悪化の一途を辿り、最悪の場合、歯を失ってしまう恐れがあります。大切な歯を失わないためにも、まずは治療を始める必要があります。
虫歯になって歯が痛い、歯ぐきから出血するなど、お口の中のトラブルが起こったら、歯科医院を受診しますよね。その際も一般歯科では保険証の提示を求められます。
では歯科治療において、保険が適用される範囲とはどこまでなのでしょうか。主な保険適用治療は以下のとおりです。
虫歯治療
虫歯になった部分を削ってレジンを詰める、または詰めた部分の型を取り、インレーと呼ばれる金属の詰め物を詰める。
神経を取り除いた部位の被せ物
虫歯などで神経まで炎症が起こっている場合、神経を取り除き、根の中をきれいにしてから土台を立て、型取りを行ってクラウンという被せ物を被せる。保険適用範囲は前歯の場合、見える部分は白いレジン、裏側は金属。奥歯は全部金属。小臼歯は、CAD/CAM冠という白い被せ物となる。
欠損補綴
失った歯の機能回復治療で、保険で定められた素材による部分入れ歯、総入れ歯およびブリッジ。
歯周病治療
歯周病と診断された場合、歯周ポケット数値測定および歯石除去を中心とした治療。
このような症状以外にも、治療が必要と診断された場合、保険を使って治療が行われ、不快症状を改善、緩和させることで健康な口腔内へと導きます。しかし保険で行う治療は、治療費を抑えることができる反面、審美性は重視されず最低限の機能を取り戻すことを目的としているため、使用できる素材や薬剤に限りがあり、決められた材料しか使用することができません。そのため再治療が必要になったり、見た目にコンプレックスを感じてしまうことなどが問題点として挙げられます。
自費治療の特徴
これに対し、全額自己負担となる自費治療は、保険治療に比べて機能と審美性の向上、そして処置した歯や残存歯の維持が目的です。使える素材も制限のある保険治療と違って自由に選ぶことができます。
自費治療は保険治療と異なり、最低限の治療回復のみならず、より審美性や機能性を追及した治療であるため、高額な費用が必要となります。
自費治療の内容は歯列矯正、セラミック治療、ホワイトニングなど様々で、その中にインプラントも含まれます。
インプラントは、機能性と審美性を追及した治療であり、最低限の機能回復を目的とした入れ歯やブリッジとは同じ欠損補綴でも異なる位置づけとなっています。つまり「失った歯の代わりならインプラントでなくても入れ歯やブリッジで対応できる」ということであり、わざわざインプラントでなくても機能を回復できるということから、インプラントは保険適用外となっているのです。
インプラントが保険適用になるケースとは?
そんな中、インプラントでも保険適用となる症例があり、国が定めた条件を満たすことで保険が適用となります。その症例とは、以下のとおりです。
・口腔ガンなどで顎の骨を切除する必要がある腫瘍や、顎骨骨髄炎など、顎の骨の病気
・事故やアクシデントなどの外傷による顎の骨の欠損
・先天性疾患による顎骨が1/3以上欠損とみなされている
このように、病気や事故、生まれつき多くの顎の骨が欠損していると診断された場合のみ保険適用が認められており、虫歯や歯周病などで歯を失った、というケースでは保険適用とはなりません。
また、受診できる歯科医院にも条件が付いてきます。
・病院に入院用ベッドが20床以上あること
・常勤で2名以上の歯科医師が勤務しており、「歯科、口腔外科で5年以上の経験を有していること」「インプラント治療歴3年以上を有していること」という条件を満たしていること
・病院であること
・当直体制が整備されていること
・医療機器保守管理および医薬品にかかわる安全確保のための体制が整備されていること
このような条件を満たすのは口腔外科を併設した総合病院や歯科大学、歯学部のある大学病院であり、一般的な歯科医院では保険適用のインプラント治療を受けることはできません。
保険適用のインプラントの費用について
気になるのは、保険適用の費用面でしょう。一般的な自費治療のインプラントの相場は一本あたり35~45万前後と言われていますが、健康保険適用のインプラントは本人負担が3割となっています。保険治療では、診療項目ごとに決められた保険点数があり、保険適用のインプラント治療の場合、症例が広範囲に及んでいるものがほとんどのため、自費の金額と比べて比較しにくいと考えられます。
インプラントの費用を抑えるためには
インプラントを保険治療で受けるためには、国で決められた症例のみ適用されるということをお話しました。虫歯や歯周病などで歯を失ったケースでは、保険適用は認められません。高額な治療費が必要となるインプラント治療で、少しでも費用を抑えるためには「医療費控除」を申請することで、費用を抑えることが可能です。そのためには領収書をきちんととっておきましょう。
そして、費用を抑えたいからといって、激安を売り出している歯科医院を選ぶことだけは避けてください。医療費を少しでも抑えたい気持ちはわかりますが、多少費用が高くなっても、実績や症例数が豊富で、カウンセリングをしっかりと行う歯科医院を選ぶことが、安心シテインプラント治療を受けることができるポイントです。