腫れや痛みを最小限にするフラップレスインプラントの利点と注意点とは?
お役立ち情報 2019/04/15
腫れや痛みを最小限にするフラップレスインプラントの利点と注意点とは?
腫れや痛みを最小限にするフラップレスインプラントの利点と注意点とは?
インプラント手術の際に痛みや腫れがないか不安な方も多いのではないでしょうか?
インプラントは、麻酔をすることで手術中はほとんど痛みがないですが、更に術後の経過も良く、時間も短縮することができるインプラントの方法があります。
そこで今回はフラップレスインプラントの利点と注意点についてご紹介します。
【フラップレスインプラントとは】
フラップレスインプラントとは歯ぐきを切開しないで、小さな穴を開けてインプラントを埋入する方法です。
そのため、骨の状態やインプラントの角度など精密に行う必要があり、CTスキャンを用いてインプラントの埋入位置をシミュレーションして『サージカルガイド』を作製します。
このガイドを使用することで、インプラントの埋入位置や角度をより正確に知ることができ、シミュレーションで仮歯や被せ物の設計も可能なので、骨の状態によってインプラント手術当日から新しい歯を装着することができます。
一般的なインプラント手術は歯ぐきを切り開き、剥離・縫合を行うのでこれらのステップが無く、患者さんの負担を減らす治療法です。
【フラップレスインプラントの利点】
患者さんの腫れや痛みを軽減することができる
歯ぐきを切らず、歯ぐきに直接インプラントを埋入するので、出血が少なく腫れや痛みも最小限にすることができます。
また歯ぐきの傷口もほとんど分からず、見た目も優れている治療法です。
手術の時間を短縮することができる
事前の治療計画で、サージカルガイドによって埋入位置を決めておくので、歯科医師が自分の判断で行うインプラント手術と違い、より治療計画通りに進行することができる上に手術の時間を短縮することができます。
通院回数を減らすことができる
歯ぐきの治癒の時間が短縮でき、インプラント治療のステップも少なくすることができるので、通院回数を減らすことができます。
シミュレーションにより正確で安全に治療できる
CTスキャンで骨の厚みや密度を確認して、最適な位置にインプラントを埋入するシミュレーション計画を立てるので、正確で安全に治療することができます。
【フラップレスインプラントの注意点】
歯ぐきを切開しないので血管までの距離がわかりにくい
インプラントは事前に検査や治療計画を立てて慎重に行う治療ですが、外科手術を伴うので、少なからずリスクがあります。
特にフラップレスインプラントは歯ぐきを切り開かないので、血管までの距離が把握しにくいことがあります。
また、血管を損傷すると、多量の出血につながることがあるので、事前のシミュレーションをしっかり立てることが大切です。
事前の診断やシミュレーションが重要なので、経験豊富な歯科医師でないと不安
フラップレスインプラントは、切開して骨を見ながら確認するのと違い、経験のある医師が診断、シミュレーションをしてフラップレスインプラントが適応か判断してはじめて、適応になる治療法です。
【フラップレスインプラントの流れ】
STEP1 歯ぐきに穴を開けて、インプラント用のドリルでインプラントを埋入します。
骨が十分にある場合には、インプラントの上にアバットメントという土台をつけ、仮歯や被せ物をします。
STEP2 仮歯の場合には、インプラントが落ち着いてから型取りをして被せ物を作製します。
STEP3 出来上がった被せ物を装着します。
STEP4 1週間程度使用して、被せ物のかみ合わせが問題ないかチェックします
STEP5 メンテナンスと定期検診
【一般的なインプラントの流れ】
STEP1 1次手術
歯ぐきを切開して骨に穴を開け、専用のドリルでインプラントを埋入します。
埋入出来たら歯ぐきを糸で縫っていきます。
STEP2 抜糸
1次手術をして1~2週間後して、歯ぐきの状態が落ち着いたら抜糸をしてインプラントが定着するまで待ちます。
骨の状態によって、個人差がありますが、3か月~6か月程度定着期間を待ちます。
STEP3 2次手術
インプラントが定着してきたら、歯ぐきを切開してインプラントの上に着ける土台部分のアバットメントを装着します。
歯ぐきを切開しているので、治癒するまで待ちます。
STEP4 歯ぐきが治癒したら型取りをして被せ物を作製します。
STEP5 出来上がった被せ物を装着します。
STEP6 1週間程度使用して、被せ物のかみ合わせが問題ないか確認します。
STEP7 メンテナンスと定期検診
【インプラント治療で痛みが出た場合の対処法】
フラップレスインプラントは歯ぐきに傷をつけないので、最小限の痛みや腫れで済む治療方法ですが、もし痛みが出た時にはどの様な対処をしたら良いのでしょうか?
まず、手術後に痛みが出た場合には『痛み止め』を服用しましょう。
インプラント手術後の痛みはほとんどの場合が痛み止めを服用することで抑えられる程度の痛みです。
また、痛みや腫れが出ている時には、血流が多くなり神経を圧迫していることが多いので
冷やすことで血流を抑えることができます。
また、1週間経過しても痛みや腫れが落ち着かない場合はインプラントと骨の定着に問題がある可能性もありますので、1度来院して確認しましょう。
インプラント直後は、血のめぐりが良くなることは腫れや痛みの原因になるので、気をつけましょう。
具体的には
・激しい運動をする
・お風呂に入る
・アルコールを摂取する
ことは、手術後は避けましょう。
また、手術直後はまだインプラントと骨が定着しておらず、安定していないので食事も柔らかいものからスタートしましょう。
手術食後に硬いものや刺激の強いものを食べると、痛みの原因になることがあります。
うどんやおかゆなどからスタートして傷口が治癒するまで、少しずつ慣らしていきましょう。
インプラントは麻酔をするので、手術中はほとんど痛みを感じることはありませんが、外科手術を伴うので痛みが出るのではないかという不安な気持ちになる場合があります。
その場合には、痛みや腫れが少ない『フラップレスインプラント』やうとうと寝ている間に手術をすることができる麻酔で『静脈内鎮静法』などがあります。
患者さんの不安なことをできるだけ解決して治療する様に、歯科医院でも様々な工夫や治療法を検討しますので、不安だからとインプラントをあきらめないでくださいね。